経費吊りについて

 以前に初日吊られ回避の項目で取り上げた「経費吊り」。

あまり良い言葉ではないので、この単語に眉をひそめるプレイヤーもいるとは思いますが
今回は経費吊りについて本気出して考えてみましょう。
 
経費吊りは安定進行を目指す上の盤面整理に欠かせない吊りの思考です。
ブレそうな人、発言から色を見れない人、そもそもステ目の人・・・
こういった「後々のイレギュラーに繋がりそうな人物」「村だとしても盤面に残したくない人物」
を早期に盤面から排除し、安定を目指すという考え方です。
 
人外の強力な戦術であるステ目を許さず、議論への参加を強制するというのは非常に優秀な一手です。
ステであれば吊られ、吊られないように適当に稼いでるだけでは吊られ、強引にミスリーさせようとすると吊られ・・・
となると、潜伏人外は上手く村を装って議論に参加しないと早期退場が余儀なくされます。
日中の議論が活発になるという事は、グレー同士での相互チェックが活発になるという事です。
適当な誘導であったり、露骨にラインが透けるような占い盲信は多くの村人の目を引くでしょう。
この状態は騙り人外にもプレッシャーとしてのし掛かります。信用をきっちり取れてない状態では
騙りの真を推しての信用勝負でも出来ませんし、狼が占い位置にいってないのに○を出せば
囲いを看破されてしまいます。しかし占い位置に狼が行っていれば真が占って●を出す事もあるでしょう。
 
 
と、この様に騙り潜伏双方の人外に負担を強いつつも、盤面整理を早期に終わらせて終盤を目指す
「経費吊り思想」は村にとって優秀な勝ちへの処方箋です。
ただし、これは万能薬ではありません。にも関わらず万能薬のように扱う人も結構多いです。
いくつか弱点を書き出してみましょう。
 
 
①攻めの狼狐に無力である
経費吊り思想では「弱そうな位置」を優先的に吊り縄で処理していきます。
逆に言えば、強そうな位置にいる狼狐に縄が迫ってくるのは後半になってからの事です。
【占い師】がいればそういった強そうな位置を占って●を出して、早期に縄での処理をする事が出来るでしょう。
しかし、真占いが三日目即噛まれしたとしたらどうでしょう?
彼らの処理については後半へと持ち越され、村から順番に吊られていってしまいます。
ちなみに、「強い位置」に行くのはそれなりに骨なのですが、「強そうな位置」に行くのであれば
ある程度慣れたプレイヤーならさしたる苦労もありません。
 
②人外を吊るのを目的としていない
経費吊りの最大の弱点です。
経費吊りは狼狐を吊るのを目的にしていません。盤面に不要な位置を吊る為の吊りです。
狼狐が吊れる事もありますが、それは「そこ人外決め打って狙って吊った」結果ではないのです。
これを勘違いしてしまう人をたまに見掛けます。
盤面が終盤にさしかかるような頃に「村でも吊っていい」などという発想をしていては人外有利です。
吊り余裕がない状態では人外を先吊りする事が求められ、村を吊っている余裕はありません。
勿論、発言の弱い人物が狼狐持っているという事もありえますが、それであれば「村でも吊っていい」
ではなく、相応の推理に基づいて吊りにいくべきなのです。
「吊られた方が悪い」という敗者の弁が反省会で挙がる事もありますが、それは的外れというものです。
「村でも吊っていい=そこが村だったとしても勝てる」という判断に基づいて吊った結果の負けなのですから。
 
 
まとめると、経費吊りに関しては優秀な吊り手ではありますが、あくまで前半の盤面整理を目的にした吊り手です。
「吊り余裕を使って、盤面を整理しよう」というのが根底にある思想の為、吊り余裕のない状態では逆に
推理を阻害させる要因にしかなりません。あくまで人外を吊って勝ちを目指すゲームなので。
後半になっても経費経費と連呼するだけで推理を放棄していては、遣り手の人外には勝てません。
たまに「村に経費位置が多すぎて勝てなかった」という発言もありますが、それは村全体が弱かっただけです。

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最終更新:2013年07月15日 02:38