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真・バトロワ無双」(2013/04/11 (木) 16:19:07) の最新版変更点

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<p><span style="font-size:x-large;">真・バトロワ無双</span></p> <p>光を得て闇を恐れないようになり、多くの『人のようなモノ』が往来する街の中、異様な雰囲気を纏う二人の男が立っていた。<br /> その空間は一切の介入を許さない。が、その中にも『人のようなモノ』は遠慮なく通っていく。<br /> それでも、二人の男は揺るがない。『人のようなモノ』は『人』ではないのだから、意には介さない。<br /> 互いに、相手に対し神経を集中させている。言葉も交わさずに、互いが相手を強者だと認めていた。<br /><br /> 「フ……命のやり取り、その極地であろうこの殺し合いには何があろうと驚かぬとは思っていたが」<br /> 「……………」<br /> 「まさか、人ならざる者まで呼ばれていようとはな」<br /><br /> そのうち、片方が口を開く。相手の正体を薄々察している口ぶりだった。<br /> その言葉に、相手は何も語らない。肯定も、否定もしない。<br /> だが、男は自分の予感に確信を得ていた。<br /> 完成されていて、そしてある種『人』としてありえない肉体に、肌で感じる戦闘センス。そして、上から見定めるような人ならざる威圧感。<br /> その全てが『人』という存在を逸脱している。それを男は自らの経験から悟った。<br /><br /> しかし、その存在を男は恐れない。<br /><br /> 「だが、人であるかどうかなどオレには関係の無い話だ。<br />  どんな奴であろうとも強者ならばそれで良い。強者との戦いが、オレを楽しませるのだ!」<br /><br /> 不敵に笑ったその男は、周りも気にせずそう語る。<br /> 命を掛けた戦いに愉悦を見出す男。それを普通の人間が見れば異常だと感じるだろう。<br /> しかし、この場にはそれを指摘する者はいない。また、それを止める者もいない。<br /> その男は、この異常な殺し合いの場において、最高に輝いていた。<br /><br /> 修羅の国にて、修羅を束ねる『羅将』として生きる男―――名を、ハンと言う。<br /><br /><br /><br /> 「……その隙の無い動き、筋肉の流動!俺にとってはお前の方が人間に見えぬがな」<br /><br /> 寡黙を保っていた男が口を開くと、それはある種の賞賛の言葉。<br /> 相手もまた、普通ならば異常に分類される者だった。それは即ち、戦闘を楽しむ者。<br /> 戦闘者として、また対等となる強者を目の前にして、感情が昂っていた。<br /><br /> 「まず、このワムウに殺される資格はあるッ!」<br /><br /> その名はワムウ。<br /> 人とは決定的に違う存在。『柱の男』と、そう名付けられた男達のひとり。<br /> 人には到底到達不可能な体の構造と、同族からも一目置かれる戦闘センスを持つ圧倒的強者。<br /><br /> その男が相手を認め、対峙する。<br /> 太陽エネルギーやそれに準ずる波紋攻撃を持たなければ、柱の男にはダメージは通らない。<br /> しかし、このバーチャル空間では波紋なしでダメージを受けてしまう事を、何よりもその肌でワムウ自身が感じ取っていた。<br /> 故に、この場所ではワムウはハンに殺される可能性がある。更にハン自身が油断ならない強者であるからこそ、ワムウは戦闘の意思を見せる。<br /><br /> 例え何もかもが違っていても、ここに立つ二人は対等だった。<br /><br /> 「対等なる決闘を申し込む!共に道具を捨て、己の肉体のみでの戦いを望むッ!」<br /> 「良かろう……いや、むしろそれを待っていた!」<br /><br /> 互いがその意思を確認すると、持っていたデイパックを遠く投げ捨てた。<br /> そしてそのまま、互いが戦闘体制に入る。<br /><br /> 「俺はいつでも構わん」<br /> 「同じ台詞をそのまま返そう。いつオレを殺しに来ても構わんのだぞ」<br /><br /> ワムウは、特定の構えを持たない。長年の経験を経てどんな状況にも対応できうる上、<br /> 自由自在な体を持つからこそ、むしろ動きを読まれる可能性のある構えをとらない。<br /> 一方、羅将ハンは名目上はただの人であるが故、構えを必要とする。<br /> しかし、目にも止まらぬ速さを持つ拳はその構えから始まる。隙が無い事は、何より対立する相手自身が理解していた。<br /><br /> 「……お前はそうやって、どれだけの人間を葬ってきた?」<br /> 「フ、もはや聞きなれた問いだな……百人より先は覚えていない!」<br /><br /> 長い均衡状態。しかし、戦いとは『攻め』から始まる。<br /> 何か、ほんの少しのきっかけさえあればどちらかが『攻め』、戦いの火蓋が落とされる。<br /><br /> 互いが望んだ、崇高なる闘争。<br /> それは本来ならば、互いの気が済むまで続けられただろう。<br /><br /><br /><br /> だが。<br /><br /><br /><br /><br /> 「ペプシがねェ~~~ぞッ!どういう事だぁ!?」<br /> 「「「どういう事だーっ!?」」」<br /><br /> 「静まれーいッ!!静まらなければ射殺するッ!!」<br /><br /><br /><br /><br /> その闘争は、第三者の手により邪魔される事となる。<br /><br /><br /><br />     *    *    *<br /><br /><br /><br /> 「ペプシだ、ペプシをよこせェーーーーッ!!!」<br /><br /> 民衆の投げる石が、ハンの眼前を通過する。<br /><br /> 「それは抵抗の意思だなッ!?貴様らを射殺する!!」<br /><br /> 警察の銃弾がワムウの後頭部ギリギリをかする。<br /><br /><br /><br /> 「…………ッ」<br /><br /><br /> この状況に、怒りをあらわにしたのはどちらが先だったか。<br /><br /><br /> 「ヌゥゥゥ……ただの人間風情が、このワムウの決闘を侮辱するか!」<br /> 「そうだな、この美学を理解しない愚か者共……邪魔だ」<br /><br /> 『人のようなモノ』は『人』ではないのだから、意には介さない。<br /> しかし、この素晴らしい命のやり取りを、純粋なる決闘を邪魔するのなら話は別だ。<br /><br /> 互いに四方を見やる。<br /> 数多くの存在が、殺気だって争っている。<br /> 何が起こっているのかはさっぱり分からないし、ペプシという物が何かもさっぱり分からない。<br /> しかし、意味なんてものを知る事こそ意味を持たない。邪魔な存在ならば、排除するのみだ。<br /> 言葉も交わさず、二人は背中を合わす。<br /><br /> 「ワムウとやら、一つ提案がある。<br />  こんな名も無き修羅にも満たない数多の雑魚相手に遅れを取らぬと見て話を進めるが」<br /> 「無論だ……そしてその提案の内容を聞く必要も無い。お前と考えている事は同じであろうからな」<br /> 「フフ……話が早くて――――助かるな!」<br /><br /> そう言い終わるか否か、ハンは目にも止まらぬスピードで駆けた</p> <p>――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――<br /><br /> 「な、なんだこいつはぁっ!?」<br /><br /> 猛スピードで迫る姿に驚き、恐怖した民衆は石を投げつける。<br /> しかし、その石は届く『前に』粉々に砕け散った。<br /> 一切触れずに対象を破壊する。闘気を纏った羅将に、生半端な攻撃は通用しない。<br /><br /> 「むぅん!!」<br /><br /> 見えない拳は、怒号を飛ばす民衆へ向けられる。<br /> それは傍から見ればただ横をすり抜けた様なものだろう。しかし、実際は違う。<br /> 一糸乱れぬ突きは的確に多くの民衆に突かれている。<br /> その事実に気づいた時にはもう遅い。そして―――<br /><br /> 「あ――あべし!」<br /> 「ひでぶ!!」<br /> 「たわば!!!」<br /><br /> 肉体が爆破四散した。<br /> その姿に既視感を覚えるかもしれない。しかしこの拳はかの有名な北斗神拳では無い。<br /> 『北斗琉拳』と呼ばれる拳。それに加え、目にも止まらぬ早き拳。<br /> それが、羅将ハンを『羅将』たらしめているものだった。<br /><br /> 「オレの拳は疾風!未だかつてこの拳を見切った者は誰ひとりとしておらぬ」<br /><br /> 淡々と語り、そして何を感じる間も無く周りの存在が消えてゆく。<br /> その姿は間違いなく『強者』。相手が弱くとも、間違いなく伝わる強さがそこにあった。<br /><br /> ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――<br /><br /> その事実に、ワムウは驚愕する。<br /><br /> 「侮っていた……あの人間をッ!例え波紋の力がなくとも、あの謎の力は間違いなく驚異!」<br /><br /> ハンの放った言葉はワムウに当てられたものだろう。<br /> 実力の予想はしていても、それを目にした衝撃は想像以上。<br /> 一瞬の素早い突き、そして体に受けるだけで致命傷となるその技に、更に認識の甘さを思い知らされた。<br /><br /> 「そして惜しむ事無く手の内を明かしたその姿勢……ならば、俺もまた惜しむ事無く力を見せよう」<br /><br /> そう言って、ワムウももう片方の方向へ突き進む。<br /> 民衆とは逆の方向―――警察の方へ。<br /><br /> ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――<br /><br /> 「ええいっ、来るな来るなァーーーーッ!!」<br /><br /> 重なる発砲音。<br /> 幾多から銃弾が迫り、当たらない場所はほとんど無い状況。<br /> 余程の実力者でも、この銃弾の数には何かしらの対策をしなければならない。<br /> 速度を殺し、避けに徹する、銃弾を受け止め弾く、または破壊する……等。<br /> しかしワムウは違う。ワムウは銃弾ごときでは傷つかないが、それでも尚その銃弾を―――正面から『避ける』。<br /><br /> 「な……何ィ~~~~ッ!?何だあれはァーーーーーッ!?」<br /><br /> 自らの体を構築する物質を全て破壊・変形させ、全ての銃弾が当たらない隙間に入るように形を変える。<br /> それはもはや人の姿をしておらず、生物と呼べる物かもあやしい。<br /> しかしワムウは速度を殺す事無く元の形へと戻り、即座に攻撃体制へと映る。<br /><br /> 体を変化させる事自体は『柱の男』特有の能力。<br /> しかし、瞬時に判断し行動したのは間違いなくワムウ自身の『戦闘センス』によるものだ。<br /><br /> 「う……うわぁぁぁぁぁぁ!!!!」<br /><br /> ワムウが拳を振るうと、多くの警察官が吹き飛ぶ。<br /> そう、あまりにも多くの存在が。人の拳では到底一度に上げられない数が吹き飛んだ。<br /><br /> その原因は、風圧。<br /> 『風の流法(モード)』と呼ばれるワムウ特有の戦法。それに加え、人には不可能な動きを持つ。<br /> 『柱の男』達の中でも抜きん出た戦闘の天才。それがワムウという男だった。<br /><br /> 体から吹き荒れる風と、本体から繰り出される攻撃が周りの存在を粉々に吹き飛ばす。<br /> その姿もまた間違いなく『強者』。もはや、語るまでも無いだろう。<br /><br /> ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――<br /><br /><br /> 普通の人間ならば到底感じないであろう感情が、その心を突き動かしている。<br /> 一刻も早く戦いたいという欲望がある。戦いを望む強者の姿がある。<br /><br /><br /> 「ぬぅん!!」<br /><br /> 「SYYYYAAAAHHHH!!!!!」<br /><br /><br /> 正に水を得た魚……というべきか。二つの熱き魂が、改めてこの異常な場で輝いていた。<br /><br /><br /> 【1日目・深夜/I-7 中央区】<br /><br /> 【羅将ハン@北斗の拳】<br /> 【状態】健康<br /> 【装備】なし<br /> 【道具】なし<br /> 【思考】<br /> 基本:『命のやり取り』の極限である殺し合いを楽しみ、勝ち残る<br /> 1:周りの邪魔な住民、警察を殲滅する<br /> 2:その後、強者であるワムウと命のやり取りを楽しむ<br /> 【備考】<br /> ※参戦時期の詳細は後続の人にお任せします。<br /><br /> 【ワムウ@ジョジョの奇妙な冒険】<br /> 【状態】健康<br /> 【装備】なし<br /> 【道具】なし<br /> 【思考】<br /> 基本:カーズ様とエシディシ様の元へ戻る為、殺し合いに勝ち残る<br /> 1:周りの邪魔な人間を殲滅する<br /> 2:その後、強者であるハンと決闘をする<br /> 【備考】<br /> ※参戦時期の詳細は後続の人にお任せします。<br /><br /><br /><br /> ※二人の支給品はすぐそばに放置されています。<br /> ※ペプシ不足により中央区で暴動が起きています。<br />  </p>
<p><span style="font-size:x-large;">真・バトロワ無双</span></p> <p>光を得て闇を恐れないようになり、多くの『人のようなモノ』が往来する街の中、異様な雰囲気を纏う二人の男が立っていた。<br /> その空間は一切の介入を許さない。が、その中にも『人のようなモノ』は遠慮なく通っていく。<br /> それでも、二人の男は揺るがない。『人のようなモノ』は『人』ではないのだから、意には介さない。<br /> 互いに、相手に対し神経を集中させている。言葉も交わさずに、互いが相手を強者だと認めていた。<br /><br /> 「フ……命のやり取り、その極地であろうこの殺し合いには何があろうと驚かぬとは思っていたが」<br /> 「……………」<br /> 「まさか、人ならざる者まで呼ばれていようとはな」<br /><br /> そのうち、片方が口を開く。相手の正体を薄々察している口ぶりだった。<br /> その言葉に、相手は何も語らない。肯定も、否定もしない。<br /> だが、男は自分の予感に確信を得ていた。<br /> 完成されていて、そしてある種『人』としてありえない肉体に、肌で感じる戦闘センス。そして、上から見定めるような人ならざる威圧感。<br /> その全てが『人』という存在を逸脱している。それを男は自らの経験から悟った。<br /><br /> しかし、その存在を男は恐れない。<br /><br /> 「だが、人であるかどうかなどオレには関係の無い話だ。<br />  どんな奴であろうとも強者ならばそれで良い。強者との戦いが、オレを楽しませるのだ!」<br /><br /> 不敵に笑ったその男は、周りも気にせずそう語る。<br /> 命を掛けた戦いに愉悦を見出す男。それを普通の人間が見れば異常だと感じるだろう。<br /> しかし、この場にはそれを指摘する者はいない。また、それを止める者もいない。<br /> その男は、この異常な殺し合いの場において、最高に輝いていた。<br /><br /> 修羅の国にて、修羅を束ねる『羅将』として生きる男―――名を、ハンと言う。<br /><br /><br /><br /> 「……その隙の無い動き、筋肉の流動!俺にとってはお前の方が人間に見えぬがな」<br /><br /> 寡黙を保っていた男が口を開くと、それはある種の賞賛の言葉。<br /> 相手もまた、普通ならば異常に分類される者だった。それは即ち、戦闘を楽しむ者。<br /> 戦闘者として、また対等となる強者を目の前にして、感情が昂っていた。<br /><br /> 「まず、このワムウに殺される資格はあるッ!」<br /><br /> その名はワムウ。<br /> 人とは決定的に違う存在。『柱の男』と、そう名付けられた男達のひとり。<br /> 人には到底到達不可能な体の構造と、同族からも一目置かれる戦闘センスを持つ圧倒的強者。<br /><br /> その男が相手を認め、対峙する。<br /> 太陽エネルギーやそれに準ずる波紋攻撃を持たなければ、柱の男にはダメージは通らない。<br /> しかし、このバーチャル空間では波紋なしでダメージを受けてしまう事を、何よりもその肌でワムウ自身が感じ取っていた。<br /> 故に、この場所ではワムウはハンに殺される可能性がある。更にハン自身が油断ならない強者であるからこそ、ワムウは戦闘の意思を見せる。<br /><br /> 例え何もかもが違っていても、ここに立つ二人は対等だった。<br /><br /> 「対等なる決闘を申し込む!共に道具を捨て、己の肉体のみでの戦いを望むッ!」<br /> 「良かろう……いや、むしろそれを待っていた!」<br /><br /> 互いがその意思を確認すると、持っていたデイパックを遠く投げ捨てた。<br /> そしてそのまま、互いが戦闘体制に入る。<br /><br /> 「俺はいつでも構わん」<br /> 「同じ台詞をそのまま返そう。いつオレを殺しに来ても構わんのだぞ」<br /><br /> ワムウは、特定の構えを持たない。長年の経験を経てどんな状況にも対応できうる上、<br /> 自由自在な体を持つからこそ、むしろ動きを読まれる可能性のある構えをとらない。<br /> 一方、羅将ハンは名目上はただの人であるが故、構えを必要とする。<br /> しかし、目にも止まらぬ速さを持つ拳はその構えから始まる。隙が無い事は、何より対立する相手自身が理解していた。<br /><br /> 「……お前はそうやって、どれだけの人間を葬ってきた?」<br /> 「フ、もはや聞きなれた問いだな……百人より先は覚えていない!」<br /><br /> 長い均衡状態。しかし、戦いとは『攻め』から始まる。<br /> 何か、ほんの少しのきっかけさえあればどちらかが『攻め』、戦いの火蓋が落とされる。<br /><br /> 互いが望んだ、崇高なる闘争。<br /> それは本来ならば、互いの気が済むまで続けられただろう。<br /><br /><br /><br /> だが。<br /><br /><br /><br /><br /> 「ペプシがねェ~~~ぞッ!どういう事だぁ!?」<br /> 「「「どういう事だーっ!?」」」<br /><br /> 「静まれーいッ!!静まらなければ射殺するッ!!」<br /><br /><br /><br /><br /> その闘争は、第三者の手により邪魔される事となる。<br /><br /><br /><br />     *    *    *<br /><br /><br /><br /> 「ペプシだ、ペプシをよこせェーーーーッ!!!」<br /><br /> 民衆の投げる石が、ハンの眼前を通過する。<br /><br /> 「それは抵抗の意思だなッ!?貴様らを射殺する!!」<br /><br /> 警察の銃弾がワムウの後頭部ギリギリをかする。<br /><br /><br /><br /> 「…………ッ」<br /><br /><br /> この状況に、怒りをあらわにしたのはどちらが先だったか。<br /><br /><br /> 「ヌゥゥゥ……ただの人間風情が、このワムウの決闘を侮辱するか!」<br /> 「そうだな、この美学を理解しない愚か者共……邪魔だ」<br /><br /> 『人のようなモノ』は『人』ではないのだから、意には介さない。<br /> しかし、この素晴らしい命のやり取りを、純粋なる決闘を邪魔するのなら話は別だ。<br /><br /> 互いに四方を見やる。<br /> 数多くの存在が、殺気だって争っている。<br /> 何が起こっているのかはさっぱり分からないし、ペプシという物が何かもさっぱり分からない。<br /> しかし、意味なんてものを知る事こそ意味を持たない。邪魔な存在ならば、排除するのみだ。<br /> 言葉も交わさず、二人は背中を合わす。<br /><br /> 「ワムウとやら、一つ提案がある。<br />  こんな名も無き修羅にも満たない数多の雑魚相手に遅れを取らぬと見て話を進めるが」<br /> 「無論だ……そしてその提案の内容を聞く必要も無い。お前と考えている事は同じであろうからな」<br /> 「フフ……話が早くて――――助かるな!」<br /><br /> そう言い終わるか否か、ハンは目にも止まらぬスピードで駆けた</p> <p>――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――<br /><br /> 「な、なんだこいつはぁっ!?」<br /><br /> 猛スピードで迫る姿に驚き、恐怖した民衆は石を投げつける。<br /> しかし、その石は届く『前に』粉々に砕け散った。<br /> 一切触れずに対象を破壊する。闘気を纏った羅将に、生半端な攻撃は通用しない。<br /><br /> 「むぅん!!」<br /><br /> 見えない拳は、怒号を飛ばす民衆へ向けられる。<br /> それは傍から見ればただ横をすり抜けた様なものだろう。しかし、実際は違う。<br /> 一糸乱れぬ突きは的確に多くの民衆に突かれている。<br /> その事実に気づいた時にはもう遅い。そして―――<br /><br /> 「あ――あべし!」<br /> 「ひでぶ!!」<br /> 「たわば!!!」<br /><br /> 肉体が爆破四散した。<br /> その姿に既視感を覚えるかもしれない。しかしこの拳はかの有名な北斗神拳では無い。<br /> 『北斗琉拳』と呼ばれる拳。それに加え、目にも止まらぬ早き拳。<br /> それが、羅将ハンを『羅将』たらしめているものだった。<br /><br /> 「オレの拳は疾風!未だかつてこの拳を見切った者は誰ひとりとしておらぬ」<br /><br /> 淡々と語り、そして何を感じる間も無く周りの存在が消えてゆく。<br /> その姿は間違いなく『強者』。相手が弱くとも、間違いなく伝わる強さがそこにあった。<br /><br /> ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――<br /><br /> その事実に、ワムウは驚愕する。<br /><br /> 「侮っていた……あの人間をッ!例え波紋の力がなくとも、あの謎の力は間違いなく驚異!」<br /><br /> ハンの放った言葉はワムウに当てられたものだろう。<br /> 実力の予想はしていても、それを目にした衝撃は想像以上。<br /> 一瞬の素早い突き、そして体に受けるだけで致命傷となるその技に、更に認識の甘さを思い知らされた。<br /><br /> 「そして惜しむ事無く手の内を明かしたその姿勢……ならば、俺もまた惜しむ事無く力を見せよう」<br /><br /> そう言って、ワムウももう片方の方向へ突き進む。<br /> 民衆とは逆の方向―――警察の方へ。<br /><br /> ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――<br /><br /> 「ええいっ、来るな来るなァーーーーッ!!」<br /><br /> 重なる発砲音。<br /> 幾多から銃弾が迫り、当たらない場所はほとんど無い状況。<br /> 余程の実力者でも、この銃弾の数には何かしらの対策をしなければならない。<br /> 速度を殺し、避けに徹する、銃弾を受け止め弾く、または破壊する……等。<br /> しかしワムウは違う。ワムウは銃弾ごときでは傷つかないが、それでも尚その銃弾を―――正面から『避ける』。<br /><br /> 「な……何ィ~~~~ッ!?何だあれはァーーーーーッ!?」<br /><br /> 自らの体を構築する物質を全て破壊・変形させ、全ての銃弾が当たらない隙間に入るように形を変える。<br /> それはもはや人の姿をしておらず、生物と呼べる物かもあやしい。<br /> しかしワムウは速度を殺す事無く元の形へと戻り、即座に攻撃体制へと映る。<br /><br /> 体を変化させる事自体は『柱の男』特有の能力。<br /> しかし、瞬時に判断し行動したのは間違いなくワムウ自身の『戦闘センス』によるものだ。<br /><br /> 「う……うわぁぁぁぁぁぁ!!!!」<br /><br /> ワムウが拳を振るうと、多くの警察官が吹き飛ぶ。<br /> そう、あまりにも多くの存在が。人の拳では到底一度に上げられない数が吹き飛んだ。<br /><br /> その原因は、風圧。<br /> 『風の流法(モード)』と呼ばれるワムウ特有の戦法。それに加え、人には不可能な動きを持つ。<br /> 『柱の男』達の中でも抜きん出た戦闘の天才。それがワムウという男だった。<br /><br /> 体から吹き荒れる風と、本体から繰り出される攻撃が周りの存在を粉々に吹き飛ばす。<br /> その姿もまた間違いなく『強者』。もはや、語るまでも無いだろう。<br /><br /> ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――<br /><br /><br /> 普通の人間ならば到底感じないであろう感情が、その心を突き動かしている。<br /> 一刻も早く戦いたいという欲望がある。戦いを望む強者の姿がある。<br /><br /><br /> 「ぬぅん!!」<br /><br /> 「SYYYYAAAAHHHH!!!!!」<br /><br /><br /> 正に水を得た魚……というべきか。二つの熱き魂が、改めてこの異常な場で輝いていた。<br /><br /><br /> 【1日目・深夜/I-7 中央区】<br /><br /> 【羅将ハン@北斗の拳】<br /> 【状態】健康<br /> 【装備】なし<br /> 【道具】なし<br /> 【思考】<br /> 基本:『命のやり取り』の極限である殺し合いを楽しみ、勝ち残る<br /> 1:周りの邪魔な住民、警察を殲滅する<br /> 2:その後、強者であるワムウと命のやり取りを楽しむ<br /> 【備考】<br /> ※参戦時期の詳細は後続の人にお任せします。<br /><br /> 【ワムウ@ジョジョの奇妙な冒険】<br /> 【状態】健康<br /> 【装備】なし<br /> 【道具】なし<br /> 【思考】<br /> 基本:カーズ様とエシディシ様の元へ戻る為、殺し合いに勝ち残る<br /> 1:周りの邪魔な人間を殲滅する<br /> 2:その後、強者であるハンと決闘をする<br /> 【備考】<br /> ※参戦時期の詳細は後続の人にお任せします。<br /><br /><br /><br /> ※二人の支給品はすぐそばに放置されています。<br /> ※ペプシ不足により中央区で暴動が起きています。<br />  </p> <table border="1" cellspacing="1" cellpadding="1" width="378" style="width:378px;height:191px;"><tbody><tr><td>009:<span style="font-size:medium;"><a href="http://www56.atwiki.jp/allstarrowa/pages/19.html">歩み続ける者達</a></span></td> <td>投下順</td> <td>011:<span style="font-size:medium;"><a href="http://www56.atwiki.jp/allstarrowa/pages/21.html">ダイ・ハード</a></span></td> </tr><tr><td> </td> <td>時系列順</td> <td> </td> </tr><tr><td>START</td> <td>羅将ハン</td> <td> </td> </tr><tr><td>START</td> <td>ワムウ</td> <td> </td> </tr></tbody></table><p> </p>

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