雲龍



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川澄綾子


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くーろくろ


史実情報



太平洋戦争開幕直前、米国が新たに3隻の空母(後のエセックス級)を新造するとの情報を受け、マル4計画で建造される新型装甲空母(「大鳳」)のリリーフとして、急遽昭和16年度戦時急造計画(マル急計画)で建造決定されたのが、第302号艦こと「雲龍」である。
戦時急造艦として工期を急がせるために規模を中型空母とし、新規設計ではなく既存の空母である「飛龍」の図面を小改良したものを流用している。
そのため中央エレベーターが廃止されるなどの簡易化改良部分以外は、ほぼ「蒼龍」と「飛龍」の間の子のような艦であった。
ただし制動装置は最新の三式を用いていたため、翔鶴型以前の艦で運用不能であった「流星」や「烈風」などの新鋭艦載機の運用が可能であった。

雲龍型は建造中から戦局に左右された艦型であり、ミッドウェー海戦にて日本海軍が主力空母の殆どを失った際に、「雲龍」1隻のみの建造だった雲龍型は次年度の予算申請において一挙15隻の追加建造が承認された。
それに合わせて1942年8月に横須賀海軍工廠で起工された「雲龍」も、上部構造物の形状を当初の設計から変更し、噴進砲をはじめとした対空火器を増設。
またミッドウェイ海戦で露呈した缶室への空気取り入れ口からの浸水対策に、右舷のみにあった空気口を左右両舷に配置、塗料も難燃塗料を使用するなど、戦訓に基づく改装がなされた。
ソロモン海の激闘の間も雲龍は突貫工事が続けられたが、何分図面流用元の「飛龍」が短期間での量産には向かない凝った作りの空母のため工期は長引き、ガ島陥落後の1943年9月にやっと進水にこぎつけるほどであった。
その後艤装工事の最中に発生したマリアナ沖海戦で、帝国海軍は空母2隻と多くの艦載機搭乗員を失う。
「雲龍」もこの海戦における「大鳳」「翔鶴」の沈没原因であった航空燃料漏洩の対策として、コンクリートを航空燃料タンクの周囲に充填する改造を施された。
が、この改装も後の祭りでしかなかったのだ。
熟練どころか、空母発着艦が可能な搭乗員すらマリアナ沖海戦で浪費した帝国海軍には、空母を建造したところで機体を動かす搭乗員も、載せる機体も、満足に残っていなかったのである。

1944年8月6日、「雲龍」は竣工。そのまま佐世保鎮守府付となり、同月10日に就役した2番艦「天城」とともに第一航空戦隊(一航戦)を組成。
航空隊はマリアナ沖海戦から帰還し、本土にて再編が行われた601航空隊が割り当てられたが、当時601空はまだまだ再編途上であり、この2隻は搭乗員のお預けを食らう。
「雲龍」はその後しばらく第三航空艦隊*1付属として、本土空襲に備えて東京湾で待機する任務が与えられたが、それも9月には解かれている。
そして10月、発令された捷号作戦にもとづいて601空はその過半数の乗員を台湾方面の陸上基地や3航戦の「瑞鶴」へと割かれ、そのほとんどが台湾沖航空戦とエンガノ岬沖海戦にてすり潰された。
「雲龍」「天城」は乗員の慣熟訓練が済んでいないことから捷号作戦への参加は見送られたが、これで彼女たちは空母として活躍する機会を永遠に失ったのであった。
11月、一航戦には新たに「隼鷹」「龍鳳」そして先月就役したばかりの雲龍型3番艦「葛城」が編入された。
海軍に残るすべての主力たる空母が一航戦に編入されたその様は、もはや機動部隊の終焉の様を思わせる様相である。

この頃、帝国海軍はフィリピン方面の劣勢を打開すべく、「神武作戦」と呼ばれる作戦を立案している。
これはもはや壊滅寸前であった601空を「雲龍」「天城」に分乗させ、レイテ沖を航行中のアメリカ輸送船団に601空による航空特攻を実施させるというものである。
神武作戦は結局現実味に欠けるということで廃案となり、一部部隊が特攻隊となっただけで終わったが、この頃になると海軍航空隊の雰囲気は完全に特攻一色に塗り替えられていたのであった。

そんな情勢下の1944年12月17日、「雲龍」ははじめての出撃任務により呉を発つ。
『フィリピン方面への軍需物資、人員及び緊急重要物資の輸送任務』とされた任務であったが、その緊急重要物資と言うものは、つまるところ特攻兵器「桜花」である。
劣勢下の海軍と数々の人間の負の思惑が産んだ狂気の人間爆弾として知られるこの兵器は、12月末頃にレイテ湾停泊中のアメリカ輸送船団若しくはアメリカ艦隊へ向けて投入することが決定されていた。
だが、桜花は母機の一式陸上攻撃機を使って長距離輸送を行うことは無理で、なんらかの輸送手段を用いて「桜花」をフィリピン方面に運搬しなければならなかったのだ。
その運搬任務に選ばれたのが、広い航空機格納スペースを持ち、なおかつ持て余し気味であった空母である。
「雲龍」は回航を兼ねた運搬任務の最中に沈没した「信濃」に代わって、「桜花」30機と軍需物資、そして海軍634空隊員と陸軍の第1滑空歩兵連隊員を始めとした多くの便乗将兵を満載し、フィリピンへのマニラへと向かう。
その護衛には「佐世保の時雨」の通称を持つ歴戦の駆逐艦「時雨」と、建造されて日の浅い松型駆逐艦「檜」「樅」が就く。

それから2日後の1944年12月19日の夕暮れ時、東シナ海の洋上を航行中の「雲龍」に向けて、米潜水艦「レッドフィッシュ(SS-395)」が魚雷4本を発射。
発射音に気づいた「雲龍」はすかさず右に旋回し、「雲龍」を狙って放たれた魚雷4本を回避しようとする。
魚雷のうち3本は回避の甲斐もあって「雲龍」を外したが、最後の1本が雲龍の右舷中央を貫いたのであった。
「雲龍」は「レッドフィッシュ」の潜望鏡を発見し、艦の兵装でこれを攻撃しようとしたが電源の停止によりそれも不可能となり、機関室火災・ボイラー室への浸水などの影響もあって、「雲龍」は右旋回を続けたまま減速し、7分後には停止してしまう。
そしてそこに、絶好の位置で停止した獲物めがけて「レッドフィッシュ」が2発目の魚雷を発射。こちらも右舷の前部に命中したのであった。
この2発目の魚雷は浸水の影響で艦そのものが沈下していたため、爆発が下部格納庫にまで伝わり、搭載していた「桜花」の弾頭が次々に誘爆。ついに雲龍の火薬庫にまで火災は回り、小西要人艦長*2はついに退艦命令を発令。
「雲龍」の艦体は前のめりになりながら海中に没していき、最初の魚雷発射から22分後の16時57分、雲龍は姿を消したとされている。
乗員・便乗者のうち小西艦長以下推定1241名が戦死、乗組員の生存者は89名、便乗者の生存者は57名程度しか居なかった。

現在その名前はそうりゅう型潜水艦「うんりゅう(SS-502)」に受け継がれている。

台詞一覧


状況 台詞 関連する史実や元ネタ、解説など
自己紹介 雲龍型航空母艦、雲龍、推参しました。提督、よろしくお願いしますね。
秘書クリック会話① 行ける?そう……。
秘書クリック会話② やだ、飛行甲板はそんな広くはないから、触らないでね。
秘書クリック会話③ ふーん……優秀な艦載機をくれるというの? だったら少し、お話しましょうか。
戦績表示時 情報ね、戦局はどうなっているの?
編成選択時 航空母艦雲龍、出撃する。
装備時① 改装、うれしいわ。
装備時② 新型機、満載したいわね。 新型機どころか旧型機すら史実では搭載されていない。
装備時③ そう……いいじゃない……。
(マップ選択・資材発見・修復剤使用・装備開発と装備時③は共通)
補給時 補給か……。艦載機もしっかりお願いね。
ドック入り 服が汚れてしまいました。少し嫌……。
ドック入り(重傷) 戦闘後のお風呂……悪くないわね……悪くない。
建造時 戦時急造艦が完成したみたいね。 彼女の世代ともなると、酒匂以外の新造艦はほぼすべてが戦時急造艦だったりする。
艦隊帰投時 艦隊、無事戻りました。
出撃時 輸送任務ではないわ、航空撃滅戦よ。腕が鳴るわね。 航空機搭載が最後まで行われず、最初で最後の任務が輸送任務であった。
戦闘開始時 よし、第一次攻撃隊、発艦始め。
航空戦開始時 潜水艦への警戒は怠らないで。 空母・水母のみ・夜戦攻撃時と同じ
攻撃時 行ける?よし、稼働全機、発艦始め。
夜戦開始時 逃がさないわ。雲龍、突撃します。
夜戦攻撃時 空母以外・航空戦開始時と同じ
MVP時 この雲龍が殊勲艦だというの? そうか……。ううん、うれしいわ、いい気持ち……。
被弾時① くぅ……や、やるじゃない……。
被弾時② 直撃!?機械室!予備電源を! 最期の時、主電源が喪失した後に後部予備電源を稼働させて排水を試みている。
被弾カットイン やられた……傾斜回復を……もう沈みは……しない……!
撃沈時(反転) 格納庫の誘爆…ダメか… いや…いい… 今度は思い通りに働けた… ありがとう…
ケッコンカッコカリ 提督、何ですか改まって?えっ、これを私に?そんな…あの…なぜ私なのでしょうか?他にもっと…いえ、大事にします。大切にします。

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放置時 提督?……ていとく?聞こえてないかしら?連絡機を出したほうがいい?それとも艦爆? やめてくださいしんでしまいます


コメント


最新の30コメントを表示しています。
  • 編集完了しました。 -- 名無しさん (2014-10-13 03:53:40)
  • 乙 -- (名無しさん) 2014-11-23 07:26:11
  • クールなようで戦闘台詞が熱くて好きだ -- (名無しさん) 2014-12-20 01:47:53
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最終更新:2015年02月19日 12:47
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*1 艦隊とは名ばかりで、実際には本土防衛用に編成された日本各地の基地航空隊が主体

*2 開戦時の第七駆逐隊司令であり、ミッドウェー島砲撃にも参加。